イラン研修 9日目(最終日)!
イラン滞在の最終日はテヘラン。
この日はイランを発つ日でもあった。
各々朝食をとり荷物をまとめると、ホテルの倉庫に荷物を置かせてもらった。
歩いて10分の駅から、地下鉄で30分程揺られ終点駅まで。駅を出るとその寒さに驚く。それもそのはず。空には雪が舞い、眼前にそびえ立つ山脈は白く冠雪していたのだ。急ぎタクシーを捕まえ、在イラン日本国大使館を目指す。
大使館は高い壁に囲まれた建物だった。受付を待つ間、色々な所から日本語が聞こえてきて少し嬉しくなったのを覚えている。
中に入るとまず案内されたのは、ジャパンルーム。日本の伝統文化からポップカルチャーまでの日本文化を体験できる部屋である。我々が訪ねた時には、ひな壇に雛人形が飾られるなど、3月3日のひな祭りに向けた様相になっていた。他にも、部屋の中心にはプラレールが走っていたり、日本の美しい風景を撮った写真が壁一面に貼られていた。この部屋は着物やコスプレも出来る、イランでは珍しい場所なんだとか。
次に齋藤駐イラン大使への表敬を行った。実際に大使と言葉を交わす機会は珍しく、みんな緊張の面持ちであった。
大使は温厚な方で、1日のスケジュールや、仕事の内容などを教えてくださった。多忙な日々を過ごしておられるようで、本当に貴重な経験をさせていただいていると実感した。
その後訪れたのは国立絨毯博物館である。野良猫と思しき数匹が出迎えてくれた。そこは歴史のある博物館で、最古の絨毯は約2500年前のものだと推定されている程だ。壁に掛けてあったり、床に敷いてあったりと、様々な角度から楽しめる構造になっている。その大きさ、模様の精密さ、そして美しさに感動のため息が止まらなかった。
友人たちと、お気に入りの絨毯を紹介し合ったことは、忘れられない思い出の1つである。
イラン最後の企画は、テヘラン大学日本語学専攻の学生たちとの交流。絨毯博物館のすぐ近くにある、ホテルのロビーで対面した。
そのテヘラン大学生は私たちより少し年上の方々であったが、驚くほど日本語が流暢で、緊張もせずに会話できた。
内容は文化や教育、政治、ポップカルチャーに至るまで多岐に渡った。ケーキを食べ紅茶を飲み、仲が深まった私たちはSNSで友達になったり、写真を撮ったりした。
夕食は数日前と同じ、携帯会社が多く入っているビルでとった。また同じお店で最後のイラン料理を堪能した。
ちょうど食べ終える頃、バルコニーと室内を隔てる大きなガラス窓から夕日が落ちていくのが見えたのである。
当然外に出てみたが、そこから見える景色は心揺さぶるものであった。首都テヘランにそびえ立つビルに沈んでいく夕日。空を綺麗にグラデーションさせ、オレンジを一面に街に映している。研修最後の夕日は美しく、心に深く刻まれたのは言うまでもない。
この日は朝はやくから貴重な体験が盛りだくさんの1日だった。
そしてこの終わりは、テヘラン市内から空港までバスに揺られ、その後ドーハ経由で日本へのフライト。
トランジット含めておよそ13時間半の帰路についたのだった。