鹿児島大学イラン研修

鹿児島大学イラン研修の参加者が運営するブログ。イランについて自分たちが感じたことや知ったことを発信していきます!

イランの地下には知恵が詰まっている…

前回はこんな記事をかきました!

 

irantrip2018.hatenablog.com

 

要はイランは農業頑張ってるんだよーっていう内容だったのですが、

雨があまり降らないイランなぜ農作物をたくさん作れるようになったのかという話をしたいと思います!

 

イランと日本、気温はそんなに変わらないのですが、降水量が違います。

なんとイランの年間降水量は日本の10分の1なんです!

 

10分の1ともなると農業ができないどころか飲み水さえ危ういんじゃないの?って

思いますよね、、、

 

でもイランには紀元前800年から続いてきたといわれている

とあるシステムがあるんです、、、

 

それがカナートと呼ばれる灌漑のシステムです!

 

地理で習った人もいるのではないでしょうか?

 

灌漑とは、農業のために人工的に水路を引いてくることです。

つまり用水路を作るってことなんですが、カナートはもっと規模が大きいんです!

 

すっごく乾燥しているイランでは用水路を作ってもすぐに干上がってしまいます。

 

そこでイランで作られたのが「地下水路」です。

 

 

雲が山にぶつかると雨が降ります。

その雨水や、雪解け水が山に浸透して地下水がたまります。

その地下水路を町まで伸ばしたのがカナートです。

下図でいうと青い矢印のところですね

 

イランで一番長いカナートは80kmともいわれています!

80kmの穴を掘るなんてすごいですよね、

関連画像

世界の水文化「砂漠(沙漠)の知恵」 水大事典 サントリーのエコ活 サントリー

▲カナートの理解を深めるにはお勧め すっごくわかりやすいです流石です

 

 

イランの中には耕地の96%はカナートの水に頼っている、という地域もあります。

イランとカナートは切っても切り離せない関係なんですね~

 

生きるために考え出された知恵ですよね

また、中国やトルコにもこのような灌漑のシステムがあります

 

 

 

このような灌漑のシステムがもし存在していなければ、

イランは農業大国になれなかっただろうし、

もしかすると人が住めない地域になっていたかもしれませんね

 

 

 

現在イランではカナートを管理する人が少なくなっているのが問題になっています

カナートは世界重要農業遺産システムユネスコ無形文化遺産に登録されていて、

国際的にもこの文化を守ろうとしています

 

natgeo.nikkeibp.co.jp

▲このサイトではカナートの動画が見れます

 

 

次回の記事ではカナートについて言い切れなかったことを少し書こうかなと思っています

 

見てくれてありがとうございました♡

 

イランって実は○○大国!

 

こんにちは。

 

みなさんはイランの主要産業って何か知っていますか?

石油?

大正解です!

 

でも第二の産業とも言えるくらいに大きい産業なのに、実は石油に隠れてしまっている産業があるんです!

 

それは…

 

農業です!

 

イランではフルーツがすごく安かったです!イチゴは2パックくらいの量で200円くらいでした…経済制裁のことを考慮しても400円くらいかな…

 

日本のように大きさの選別はしないので形は様々でしたが美味しくて三回くらい買ってしまいましたね笑

 

日本に帰ってきてイランの農業について調べてみるとびっくりしました!

 

 

イランはすごく乾燥していて砂漠もある国だから、食べるだけでも大変だろうなって思っていました。

でも…食料自給率90%超え!

(イランは食文化に対して保守的なのでそれも影響しているとは思いますが)

 

そして、GDP(農業)は世界第11位!

(ちなみに日本は9位です)

(全品目でのGDPは26位なのでイラン国内でみても大きい産業ですよね)

 

私はもうイランは農業大国ですって言ってもいいんじゃないかと思います!

 

国土の約8割は乾燥・半乾燥地帯なんです。

また、まだまだ農業の近代化が進んでいないことが問題になっているそうです。

そんなハンデをもっていながらも、なぜイランは農業大国になりえたのか??

 

続きは次の記事に書いてみようと思いますね(^^)

イランのことを少しでも身近に感じていただけると幸いです♡

 

参照:

https://www.globalnote.jp/post-2559.html?cat_no=100

http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/attach/pdf/index-56.pdf

 

 

ターロフとは② イラン人に聞いてみた!

こんにちは!
前回に続き、今回もターロフについて紹介していきます。

せっかくなので、ターロフについて
直接イランのお友だちに聞いてみました!!

私のお友だちのイラン人によると…

ターロフは、
「他人を敬う」というイラン人の精神の表れ でもあるそうです。

例を挙げると、
友達と2人で部屋やエレベーターに入ろうとしたとき、
お互い、「先にどうぞ」と延々と譲り合うらしいです。
これもターロフ。

驚いたのは、
イランの社交辞令!? ターロフとは① - 鹿児島大学イラン研修でも紹介した、
お店の人が「お金はいりませんよ。」って言ってくる、というターロフ。

これ、絶対にターロフというわけじゃなくて、本気のときもあるんだよ、って
言ってました。
相手が本当に困っている時には、お金を貰わないこともあるんだとか。

思い返すと
研修中、イランには、「困っている人を助けたい」という気持ちを強く持っている人が多くいるように感じました。


宗教だったり、その背景には色々な要因があるのだと思いますが、
いずれにせよ、この気持ちは私たちも見習うべきことだと思います。

さて、
2回に分けて紹介したイランの文化「ターロフ」。

いかがでしたか?

ちょっと日本人と似ている部分もあると思いませんか??

お友達のおかげで、
ターロフって、「建前」ばかりのややこしい文化なのではなく、
素敵な一面もあることを知ることができました。(友達よ、ありがとう〜!)


最後に、
ターロフなのか本気なのかをどうやって見分けるのかというと…

だいたい3回断っても勧めてきたら、ターロフじゃないかも!と思ってください(^^)

*おわり*

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例のお茶屋さんにて

イランの社交辞令!? ターロフとは①

こんにちは!

今日は、イランのターロフについて紹介しようと思います!

 

ターロフとは、簡単に、かつ日本人にわかりやすく表現するならば、

 

社交辞令 とか 気遣い とか 遠慮 を引っ括めたようなものです。

 

ただこのターロフ、イラン独自の文化なので、

お隣の国であるトルコの人でも、ターロフについて完全には分からないのだとか。

 

それに、ターロフはとっても奥が深いので(ターロフのことだけで本が書けちゃうくらい!)

イランに10日間だけしか居なかった私には説明しきれない部分もあるのですが、わかる限りのことをお伝えしていこうと思います。

 

では、私がイランに行って実際に遭遇したターロフの例を2つ紹介しますね!

 

まず1つ目は、ラーヒージャンのとあるお茶屋さんでのこと。

 

私たち、イランの紅茶が好きすぎるあまり、ラーヒージャンで紅茶を

爆買い(?)したんです。(私は1人で1キロ買いました。ちなみに全部自分用です。)

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それはさておき、

紅茶の代金を渡そうとした時、お店のお兄さんがペルシャ語で何か言ってきたんです。

 

私はペルシャ語が分からないので、??ってなったのですが、引率の先生によると

「そのようなお金をいただく訳にはいきません」というようなことを言っていたようで‥

 

そう、このセリフこそがターロフなのです!

 

もちろん、「ハーへシュミコナム」(ペルシャ語でどういたしまして の意。)と言って、お金を払いました。

 

2つ目は、ザバーレという小さな村に行ったときのこと。

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ザバーレでは地元の方々が案内をしてくださったのですが、案内の終わる頃、1人の女性が別れ際にこう言いました。

「私の家に来ませんか?」

 

実はこれもターロフなんです。

(なので、引率の先生が丁寧にお断りしていました。)

 

 

 

②に続く

 

 

 

イランの交通事情とは!?

こんにちは!

みなさんきっと、海外に行く上で色々と気になることありますよね?

今回はその中でも「イランの交通事情」についてお話しします!

 

日本の道路に慣れている皆さんは、海外の交通について驚いた経験があるでしょう。

私自身スリランカでの運転の荒さや道路の凸凹さに驚愕したものです。

 

 

それでは、イランの道路状況はいかがなものだと思いますか?

 

 

一言で言えば、悪くない、です。

 

 

というのも、道路の舗装具合は地域によってかなりの差があるからです。

 

 

例えば首都テヘランなどの主要都市を例に挙げると、日本と変わらない快適さを維持しています。

一方で私たちが訪れたラシュトや砂漠地域などで舗装はあまりされておらず、車内は揺れる揺れる...!

 

ただ車やバイクの運転は日本ほどではないにしろ、そこまで荒くないので”乗る上では”特に気構える必要もないかなと感じます!

 

 

では次に交通手段、及び市民の足について紹介します!

 

この点に関しては日本と変わりません。

 

自動車やバイク、自転車、さらに地下鉄もイランにはあるんです!

しかも地下鉄の切符はなんとQRコード!!

これにはメンバーみんなで驚いたポイントですね😂

 

乗る上では、女性専用車両男性専用車両に別れていることに注意が必要です!

 

 

その他の交通で注意しなければいけないのは、運転は荒い、ということですね

 

ながら運転は当然のこと、車間距離は近いし、車線はあってないようなもの。

道路を横断する際は十分に気をつけてください! 

 

 

ではまとめです!

 

イランの交通事情

  • 道路は地域によるが舗装がなされている
  • 交通手段は日本と変わらない!
  • 運転は荒い荒い...
  • 十分に注意が必要!

 

 

これを踏まえていれば交通は大丈夫!

 

それではイランの旅をお楽しみください!

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左から 地下鉄の切符 バス テヘランの風景

イランでの服装!

こんにちは!

日報が終わり、今回からイランについて発信していきます!

 

記念すべき最初のテーマは「イランでの服装」について!

 

 

みなさんはイランの人々の服装って見たことありますか?

 

自分は研修の中で調べるまで無かったんです!

それでもイメージはありましたよね。

 

いわゆる、THE・イスラム、みたいな。

 

結論から言うと、これは間違っていませんでした!

イランはイスラム教の国ですので、女性はヒジャブと呼ばれる頭部分を覆う布を着用しなければいけません🧕

 

 

注意しなければいけないのは

イスラム教ではない宗教の人でも着用が命じられていることです!!

これは国外から来た観光客だとしても例外ではありません。

 

なので私たち研修メンバーの女性陣は

飛行機の中でスカーフを頭につけました!

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これは肌を見せないため、

身体のラインを隠すためなどといった、

「男性への誘惑を断ち切る」というイスラムの教えに由来するものなのです!

 

同様に、女性は肌が露出するような半袖や短いズボン・スカートは履くことができません!

男性は多くの決まりがあるわけではないのですが、半ズボンを着ることは禁止されています。

 

 

まとめると、私たちがイランへ行くにあたって服装で注意したことは次の点です。

  • スカーフを機内持ち込みの荷物に入れること
  • 半袖・半ズボンなど、 肌が露出する格好はしない
  • 身体のラインがわかる格好はしないこと

 

格式高いモスクではチャドル(頭から体まで覆う布)の着用も義務付けられているところもありますが...

そういう所では貸し出しもしているので大丈夫です!

 

上に挙げた3つを守れば安心して街を歩けます😊

 

快適なイラン生活をお送りください!

イラン研修 9日目(最終日)!

イラン滞在の最終日はテヘラン

この日はイランを発つ日でもあった。

 

各々朝食をとり荷物をまとめると、ホテルの倉庫に荷物を置かせてもらった。

歩いて10分の駅から、地下鉄で30分程揺られ終点駅まで。駅を出るとその寒さに驚く。それもそのはず。空には雪が舞い、眼前にそびえ立つ山脈は白く冠雪していたのだ。急ぎタクシーを捕まえ、在イラン日本国大使館を目指す。

 

大使館は高い壁に囲まれた建物だった。受付を待つ間、色々な所から日本語が聞こえてきて少し嬉しくなったのを覚えている。

中に入るとまず案内されたのは、ジャパンルーム。日本の伝統文化からポップカルチャーまでの日本文化を体験できる部屋である。我々が訪ねた時には、ひな壇に雛人形が飾られるなど、3月3日のひな祭りに向けた様相になっていた。他にも、部屋の中心にはプラレールが走っていたり、日本の美しい風景を撮った写真が壁一面に貼られていた。この部屋は着物やコスプレも出来る、イランでは珍しい場所なんだとか。

 

次に齋藤駐イラン大使への表敬を行った。実際に大使と言葉を交わす機会は珍しく、みんな緊張の面持ちであった。

大使は温厚な方で、1日のスケジュールや、仕事の内容などを教えてくださった。多忙な日々を過ごしておられるようで、本当に貴重な経験をさせていただいていると実感した。

 

その後訪れたのは国立絨毯博物館である。野良猫と思しき数匹が出迎えてくれた。そこは歴史のある博物館で、最古の絨毯は約2500年前のものだと推定されている程だ。壁に掛けてあったり、床に敷いてあったりと、様々な角度から楽しめる構造になっている。その大きさ、模様の精密さ、そして美しさに感動のため息が止まらなかった。

友人たちと、お気に入りの絨毯を紹介し合ったことは、忘れられない思い出の1つである。

 

イラン最後の企画は、テヘラン大学日本語学専攻の学生たちとの交流。絨毯博物館のすぐ近くにある、ホテルのロビーで対面した。

そのテヘラン大学生は私たちより少し年上の方々であったが、驚くほど日本語が流暢で、緊張もせずに会話できた。

内容は文化や教育、政治、ポップカルチャーに至るまで多岐に渡った。ケーキを食べ紅茶を飲み、仲が深まった私たちはSNSで友達になったり、写真を撮ったりした。

 

夕食は数日前と同じ、携帯会社が多く入っているビルでとった。また同じお店で最後のイラン料理を堪能した。

ちょうど食べ終える頃、バルコニーと室内を隔てる大きなガラス窓から夕日が落ちていくのが見えたのである。

当然外に出てみたが、そこから見える景色は心揺さぶるものであった。首都テヘランにそびえ立つビルに沈んでいく夕日。空を綺麗にグラデーションさせ、オレンジを一面に街に映している。研修最後の夕日は美しく、心に深く刻まれたのは言うまでもない。

 

この日は朝はやくから貴重な体験が盛りだくさんの1日だった。

そしてこの終わりは、テヘラン市内から空港までバスに揺られ、その後ドーハ経由で日本へのフライト。

トランジット含めておよそ13時間半の帰路についたのだった。

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テヘラン最後の夕日